交通事故の慰謝料でお悩みの方へ
1 保険会社から提案される示談金は相場より2倍以上金額が低いことがある
保険会社から提案される示談金は、いわゆる自賠責基準や任意保険基準といった相場よりも低額といわれる基準で提案されることが多くあり、特に、自賠責基準は自賠責保険で支払われる基準であるため、傷害分(治療費・入通院交通費・休業損害・入通院慰謝料などの合計)の上限が120万円であり、弁護士基準では治療費や入通院交通費、休業損害の金額とは別に入通院慰謝料も計算されるため、2倍以上金額が異なることがあります。
たとえば、過失割合0対10、負傷内容は打撲捻挫(治療期間150日、実通院日数80日)で、治療費60万円、入通院交通費5万円、休業損害25万円と仮定すると、自賠責保険の傷害分は120万円が上限であるため、自賠責基準の入通院慰謝料は30万円となる一方で、弁護士基準の慰謝料は79万円であり、2倍以上差が生じてしまうことになります。
2 後遺障害慰謝料の相場に注意
傷害分と同じく後遺障害慰謝料についても、自賠責基準と弁護士基準には大きな差があります。
たとえば、自賠責基準の後遺障害慰謝料は、1級が1650万円または1150万円、2級が1203万円または998万円、3級が861万円、4級が737万円、5級が618万円、6級が512万円、7級が419万円、8級が331万円、9級が249万円、10級が190万円、11級が136万円、12級が94万円、13級が57万円、14級が32万円となります。
一方で、弁護士基準の後遺障害慰謝料は、1級が2800万円、2級が2370万円、3級が1990万円、4級が1670万円、5級が1400万円、6級が1180万円、7級が1000万円、8級が830万円、9級が690万円、10級が550万円、11級が420万円、12級が290万円、13級が180万円、14級が110万円とされています(民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準、いわゆる赤い本)。
3 交通事故の慰謝料でお悩みの方は
上記以外であっても、骨折を伴う事案や死亡事案などは、自賠責基準と弁護士基準に大きな差が生じやすい傾向にあるため、損をしないためにも、交通事故の慰謝料でお悩みの方は、示談前に交通事故に詳しい弁護士に相談することが大切です。
相手方からの慰謝料の提示額に納得いかないとき
1 相手方からの慰謝料の提示額に納得いかない場合

交通事故の通院が終了した場合、あるいは後遺症が残存してしまい自賠責による後遺症の等級認定を受けた場合には、最後に相手方保険会社から慰謝料を含む賠償金額が提示されます。
もっとも、保険会社からの提示額は、被害者の方が想定していたよりも極めて低い金額であることも少なくありません。
これは、交通事故の交渉において、以下に述べるように賠償額の基準が複数存在することが原因となっています。
2 自賠責基準
自賠責基準とは、交通事故による被害者の最低限の補償のための基準となります。
通院の日数に応じて、一日当たり4300円と金額が定められています。
なお、日数については、基本的には通院期間で計算を行いますが、実際に通院した日数が少ない場合には、実通院日数の2倍を基準とすることになっています。
また、自賠責は休業損害、治療費などと併せて上限が120万円に設定されており、上限額による制約で慰謝料の金額が減額されることもあります。
3 任意保険基準
任意保険基準とは、各保険会社が独自に定めている会社内部の基準となります。
具体的な内容は個々の保険会社によって異なりますが、おおむね上述した自賠責基準に準じて金額を決めているケースが多くあります。
4 裁判基準
裁判基準とは、これまでの様々な過去の裁判例を基に定められた賠償の基準となります。
主に、裁判例の考え方を集約した「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という書籍(いわゆる赤本)に記載された基準となります。
弁護士が介入して保険会社と交渉を行う場合には、裁判外の交渉であっても、こちらの基準を用いて交渉を行うことになります。
5 弁護士への依頼について
交通事故では、弁護士に依頼するだけで慰謝料の金額が大きく増えるということが多くあります。
これは、これまで自賠責基準や任意保険基準で提示されていた慰謝料の算定が、裁判基準で行われることになるのが原因です。
通院日数が少なく自賠責基準では慰謝料が極端に少なくなってしまう場合や、通院が長期化し、あるいは後遺症が認定されて損害額が大きくなった場合などは、特に弁護士に依頼することによる金額の増加が著しい可能性があります。
ほとんどの交通事故では弁護士に依頼するだけで慰謝料が増額されるのが現状です。
特に弁護士特約に加入されている場合は、弁護士費用で足がでるとといったリスクもありませんので、相手方から提示が出た段階で、必ず一度は弁護士に相談すべきです。



























